史料にみるイワヒバの世界
花 壇 地 錦 抄 は 語 る” 
巻柏 長生不死草とも、又は岩松ともいう。
葉のみじかくつまりたるは「たうげひば」という。
是を上とす。
葉長きは「すそのひば」という。
花壇地錦抄は元禄7年(1694年)に発刊され、イワヒバを葉の長短で2種に分け紹介している。この2種は錦葉・斑入りのイワヒバでなく、自然の野生種の青葉系のものと思われる。
松 尾 芭 蕉 の 俳 句 か ら” 
五月雨 岩檜葉の緑 いつまでぞ
この句は松尾芭蕉が延宝8年(1680年)、梅雨季にイワヒバを詠んだものです。自然を愛し旅に生きた芭蕉が五月雨(梅雨)にうたれたみずみずしいイワヒバの緑の美しさ・生命力を詠んだものである。この句にもあるようにイワヒバは昔から梅雨季には実に美しい葉芸を見せてくれ、日本人の心をとらえてきている。ワビ・サビの心といえるもだと思われる。
草 木 奇 品 家 雅 見 か ら
斑入りイワヒバ「いただき岩ひば」の登場
図譜の解説文には「いわひば爪斑雪を帯たるが如し」と綴られている
明治31年の「巻柏の種類名寄」には白斑類としてビロード、松の雪、高砂などの
仲間として
”白爪斑にて葉先細かくまばらの斑なり”と記載されてある。
想定するに高砂とビロードの中間種ではないかと思われる。
草木奇品家雅見は文政10年(1827年)に刊行され、これまでの青葉種から斑入りイワヒバ「いただき岩ひば」を初めて紹介している。
草 木 錦 集 の 世 界 か ら
この書籍は前記の「草木奇品家雅見」の2年後の文政12年(1829年)に刊行され、イワヒバ5品種が紹介されている。
善 右 衛 門 岩 ひ ば
解説文は「白布(斑)にて九月頃より布(斑)入紅かかる いただきより大斑入」となっているこの品種は万延元年 (水野爪金)以降唐花の原種と一般的には言われている。
黄  布  岩  ひ  ば 
解説文には「芽だし黄布に紅少しあり…無地黄なる葉よく重ね・・・」とある。現在の蜀光錦が本種といわれている品種である。
弥  七  岩  ひ  ば
解説文には「葉至てうすく・・・葉ぼろぼろ欠ける・・・」とある。現存の西の有明とも言われているが定かではない。
細  葉  岩  ひ  ば
解説文には「・・・ほそく葉少なく付き重なるかた・・・」とある。昭和49年〜平成4年度まで銘鑑に記載された細葉岩檜葉が本種といわれている。
い た だ き 岩 ひ ば
江戸時代の文政・天保から明治34年まではその姿が銘鑑にみられるが、明治34年の銘鑑を最後に姿を消している。
茨城県最古の巻柏銘鑑

茨城巻柏の発祥地である天神山木楽園が昭和8年に発行したものである
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